ALTO LIVE1202 修理完了

ALTO LIVE1202の修理が完了しました。
SNSで繋がった方からのご依頼です。
私のキャリアでは初めての製品でしたので、治せるか不安でしたが
不具合を起こしていた部品が通常使用しているリード部品でしたので、何とか治すことが出来ました。

作業内容

お客様からのご依頼は、出力端子から出力が出ないとの事でした。
分解して確認すると、電源回路から±15Vの出力が出ていません。
電源部を目視確認すると、電解コンデンサの頂部が破れている部品が確認できました。


所謂パンク状態ですね。
この部品だけの不具合はあまり考えられませんので、電源回路基板上の電解コンデンサを全てチェックした結果、全数交換した方が今後の安心に繋がると判断して部品を注文。
ここで非常に恥ずかしい失敗…
部品注文して到着した部品を取り付けようとした時、外形が大きくて実装出来ない事が判明。
急いで再注文を行ってお客様に報告したところ、ご了解を頂きいてホッと一息。
電源部の電解コンデンサを全数交換し、電源回路が正常に動作した事で、お客様ご指摘の症状は治まりました。

DSPエフェクトのプリセットLEDが点灯しない症状が確認できました。
DSPチップが実装されている小基板とメインの基板を接続しているコネクタが手半田付けされています。見た目には問題無いのですが半田を吸い取った後、再度半田付けする事でLEDが点灯しました。
7セグメントのLEDが使用されていますが、各セグメントで明るさにバラツキが有ります。
お客様に確認した所、問題無いとのご返答でしたので、今回は手を入れていません。
この様な状況です。


また、CH3とCH5/6のパンポットVRに若干のガリが認められました。
こちらもお客様ご了承の上、手を入れていません。

電源回路基板上の電解コンデンサを固定する為に接着剤が塗布されています。

抵抗器やダイオードのリード線にも余分な接着剤が付いています。
電解コンデンサの交換時に接着剤を取り除き、少し腐食が始まっていた各部品のリード線を綺麗にした後、半田メッキを行って再使用しています。
同回路基板の半田を全て吸い取った後、再半田付けを行っています。

作業後の電源回路基板の様子です。


交換した部品です。

考察

初めて手を入れる製品で回路図が入手出来ませんでした。
この製品には表面実装部品が使用されていますので、回路図が無いと部品の品番が判りません。電源回路の修理で症状が治ったのはラッキーでした。

この電源回路基板ですが、筐体を開けた状態で通電していても、放熱板の温度が50℃近くまで上昇し、直近に電解コンデンサが実装されています。
電圧変換はスイッチング方式ですが、定電圧回路は3端子レギュレータとトランジスタで行っています。
温度上昇は仕方ありませんが、少しばかり高すぎるように思います。
それが原因で電解コンデンサの寿命が縮まっているのではないでしょうか。

今回の作業で、自分の引き出しが増えました。
作業完了まで時間が掛かりましたが、ご了承を頂いたお客様に感謝致します。

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